院長コラム

MRIについて

MRIについて

MRIは強力な磁石の力を使って、体の内部情報を検査する方法です。
CTとは違い、放射線被爆の心配がなく体への侵襲はありません。(妊娠初期での胎児への安全性が確立されていないため、その場合は施行できません)

整形外科領域でのMRI

あらゆる疾患でMRIが有用です

半月板損傷MRI整形外科領域である、筋・骨格・神経の疾患ではMRIは大活躍します。
靭帯損傷、脊椎疾患、疲労骨折、筋損傷(肉離れ)など様々な疾患での評価に役立ちます。

診断機器としてのMRIの役割

なるべく正しい診断のために

正しい診断をするためには、

①なぜ痛みが起きたのかなど詳細を知る
問診時に基礎疾患や生活背景、今までの症状の推移を正しく知る

②詳細な理学所見をとる
実際に関節を動かしたり、体を触ることでどこがどのような動きで痛みなどの症状が出るかを知る

実はこの2つである程度、どのような疾患なのか推測できます。
補助的にレントゲン検査で骨・関節の異常がわかれば診断がつくことがほとんどです。

MRIの役割

しかし、靭帯や軟骨、筋・腱はレントゲンには映らないため、実際はどうなっているのかがわかりません。

そのため、前述した問診・理学所見で推測した疾患を、MRIで答え合わせするというのがほとんどになります。

正確に数字を出したわけではありませんが、感覚的に8〜9割くらいは予想通りだったりします。

予想外だったことも多いです

逆にいうと1〜2割くらいは予想外の変化が見られるということです。

当院が開院して、7月で6ヶ月目になりますが、MRIを撮ってみたら予想外だったことも非常に多くありました。

がんの骨転移が見つかった、骨の壊死が見つかった、広範囲の関節軟骨損傷があった、甲状腺腫瘍が見つかったなどが挙げられます。

手術する必要があるかの判断もつきやすいです

また、予想外ではなくとも手術する必要があるかは、やはりMRIを撮ったほうがはっきりします。

半月板損傷や関節内遊離体(関節ねずみ)、靭帯損傷などの診断がつき、手術となった方も多くいます。
MRIを撮っていなければ中々、手術という判断に踏み切れなかった可能性も高いです。

また、他院でレントゲン検査のみで様子見となっていた方で、MRIを撮ってみたところ手術が必要との判断になった方もいました。

MRI導入への経緯

大学時代のケガ

院長あいさつでも書いているように、大学時代にラグビーの試合で半月板損傷を受傷しています。

北海道での大会で試合中に、相手選手が膝に倒れ込んでしまい受傷しました。
明らかに軽症ではなく途中交代となり、試合後に現地の整形外科を受診しましたがレントゲンで異常は見つからず装具固定で様子見となりました。

診断がはっきりしない辛さ

その後も中々痛みがとれませんでしたが、特に診断もついておらず、チームメイトからも「軽症なのに何やってんだ」というように言われ、非常に辛い思いをした覚えがあります。

受傷後2ヶ月たって、整形外科医の先輩に相談し、MRIを撮って即座に“半月板損傷“の診断がつきました。結局、ごまかしごまかしプレーを続けて2年ほどしてから半月板損傷の手術を受けることになりましたが、その時には切れた半月板を縫合修復することはできず、切除して痛みを取るという形になりました。

もっと早く診断がついていたらという後悔

当院のMRIで現在の膝の状態をチェックしましたが、半月板は残っているものの若干欠損しています。
もし、受傷後すぐに診断がつき手術を受けてたら、切れた半月板を切除せずに温存できたかもしれないという思いは少し残っています。

なるべく早く、正しい治療方針を提案したい

このような自分自身の経験があり、同じような経験をして欲しくないという気持ちが強くあります。
そのため、“三宿通り整形外科クリニック“はMRIを導入する前提で、テナント探しが始まりました。
MRIは巨大な装置のため、機器を入れる動線がないと導入できません。また電源容量、資金確保などクリアするハードルがいくつもありました。

しかし、その甲斐もあって現在の診療体制には欠かせない存在です。MRIをあって良かった、助かった(撮らなかったら手遅れになってたかもしれない)と思うシーンが決して少なくありません。

なるべく正確に診断をつけるため、MRIを撮ることを一度ご検討ください。
MRIを撮るか撮らないかがターニングポイントになるかもしれません。

院長 有田 正典 

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