院長コラム

新型コロナワクチンについて(6/24追記)

新型コロナワクチンについて

世田谷区でも医療従事者向けの接種だけでなく、高齢者の方への接種が徐々に始まっています。
当院のスタッフも何名か1回目の接種が済みました。

診療中にワクチンのことで聞かれることも多いので、今回まとめてみました。

ワクチンは接種しても大丈夫ですか?

ワクチン接種できない方

・明らかに発熱している方
・重症の急性疾患にかかっている方
・ワクチンの成分にアナフィラキシーなどの既往がある方

ワクチン接種に注意が必要な方

・過去に免疫不全の診断を受けた人、遺伝的に免疫不全の可能性がある方
・心臓、腎臓、肝臓、血液疾患や発育障害などの基礎疾患がある方
・過去の予防接種でアレルギーがあった方

(参照:厚労省コロナワクチンQ&A)

今までワクチンでアレルギー症状が出た方や、PEG(ポリエチレングリコール)のアレルギーがある方は慎重に検討した方が良いです。

☆当院でのリハビリや内服・注射などはワクチン接種に特に影響がありませんのでご安心ください。

 

新しいワクチンだけど安全なの?

ファイザー社のワクチンについて

現在、多くの人が接種するであろうファイザー社製のワクチンについて解説します。

mRNAワクチンといい、インフルエンザワクチンとは全く違う製法により作られています。mRNAとは簡単に言うと遺伝子の一部分と捉えてください。
ウイルスの遺伝子の一部を体に打つことによって、本当のウイルスが体内に入ってきた際に速やかに免疫が働いて、感染することや重症化することを予防できます。

遺伝子を体内に入れるのって本当に大丈夫?

このmRNAワクチンは体内に数日から10日程度で分解されて消失することが確認されています。遺伝子が置き換わってしまったりといった、長期的なリスクが懸念されることはほぼないと考えられてます。

mRNAワクチンは動物実験で20年失敗してきた技術だから、人体実験にされているといった情報がSNSで拡散されてました。その情報源は確認できていませんが(そもそもデマ?)、少なくともコロナ流行前よりmRNAワクチンという技術はずっと研究されています。安全性については本来のプロセスとは違いますが、海外で第2/3相・国内第1/2相の治験をクリアしています。長期的な影響については、観察が必要なものの安全性に対してのエビデンスは確立されています。

 

不妊になるって聞きましたが大丈夫ですか?

不妊になるという情報はほぼ間違いなくデマです。
海外データでも妊婦に対する悪影響はほとんどないと結論が出ています。不妊になるというデータは全く見つかりません。

毎日のようにワクチン後の死亡者が報道されてますが、、

5/27の時点で800万人以上が接種してます。それだけの方が接種していればどうしても偶発的な死亡と重なってしまうことは避けられません。
日本で2020年に死亡した人数は138万人、1%強の方が亡くなっています。ワクチンが原因での死亡者が純粋にどれくらいいるかはもう少し時間をかけないと検証できないと思われます。

新型コロナ収束のために

新型コロナウイルスは非常に厄介なウイルスです。ほとんどの人には感染しても軽い風邪程度だったり無症状だったりするのに、数%の人で重篤化し命を奪います。

「コロナはただの風邪」というのも行き過ぎですが真理ではあります。そこが恐ろしいところで、ほとんどの人にはただの風邪なんです。しかし、一度流行し出すと凄まじい勢いで拡大していき医療崩壊を引き起こします。
日本は欧米に比べると、流行の波はかなり小さく、全国的な医療崩壊とまでは行かずに済んでいます。

ワクチン接種が進むと、、、

欧米ではワクチン接種がかなり進んでおり、アメリカでは接種完了した人は公共交通機関以外ではマスクを外してもOKとなりました。
日本でも今までの日常を取り戻すためにはワクチン接種を進めるというのが最も効果的だと思います。

新しいもので、何が起こるかわからない、不安だというのはよくわかります。しっかりと調べて、ワクチンを打つかどうか考えてほしいと思います。

6/24追記

新型コロナウイルス感染症ワクチン接種担当 河野太郎氏の見解が非常に詳細をまとめてくれています。

ワクチンデマについて

副反応については、当院スタッフでも発熱などはありましたが翌日、遅くとも翌々日には問題なく勤務再開できています。
重症化予防についてははっきりと効果が出ており、副反応とのデメリットと比べると明らかにメリットのほうが大きいと感じます。

不安な方も、しっかり情報を見極めて判断していただきたいです。

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