☆足首が痛い
圧倒的に多いのは足首を捻挫した、もしくは以前に捻挫癖があって徐々に痛くなってきたというケースです。
足関節には様々な靭帯が機能していて、その中でも前距腓靱帯:ATFLと呼ばれる靭帯が損傷を起こしていることが非常に多いです。
ATFL損傷の検査
こちらはATFLが断裂していないMRI像です。矢印部分に黒い靭帯成分がしっかり残っています。
こちらはATFLが断裂しているMRI画像です。矢印部分には断裂して剥がれた靭帯がうつっています。
この靭帯が機能しなくなると、足関節に正常だったら起こらない動きが生じてしまい、変形性足関節症や腓骨筋腱脱臼などが併発することがあります。また、捻挫を繰り返して他の靭帯を痛めてしまうことも多いです。
レントゲンをとって、骨折がない→捻挫だからといってそのまま放置すると、長い時間をかけて足首がボロボロになることがあります。
手術に至った時には、腱や軟骨がボロボロということが非常に多いです。
当院では身体所見を丁寧にとり、レントゲン、エコー、MRIで軟骨や腱、靱帯の状態をチェックします。
ATFL損傷の治療
急性期では外固定(プラスチックギプスシーネなど)をして松葉杖で負荷を減らします。アイシングも効果的です。
腫れが十分にひいてきたら、足首周囲の機能回復を目的としたリハビリ、サポーター使用などを行います。
不安定性が残っている場合はスポーツ時にテーピングをするなどの管理が重要です。
長期にわたり、改善を得られない場合は関節鏡手術を扱う足関節専門医への紹介をすることもあります。
足関節の他の疾患
腓骨筋腱脱臼:外くるぶしの後ろ側が痛い、外れる感じがする
離断性骨軟骨炎:関節の中の軟骨が剥がれてしまう状態です。レントゲンでは正常に見えてもMRIを撮るとこの状態であることがあります。放置すると剥がれた軟骨が正常な軟骨を傷つけて変形性関節症を引き起こしてしまうので、早期の治療が重要です。
変形性足関節症:関節の異常可動性や、遊離体(いわゆる関節ネズミ)によって軟骨が傷つき、剥がれてしまった状態です。足関節は人工関節手術が中々難しいため、クリーニング手術や関節固定術が行われることが多いです。
☆足が痛い、つま先がが痛い、変形している
足先の痛みで多いのは母趾が外側を向いてしまっている外反母趾や、足のアーチ機能が低下してしまっている扁平足・開帳足などがあります。
また、踵が痛くなる足底筋膜炎、アキレス腱が痛くなるアキレス腱炎、内くるぶしの少し下が痛くなる有痛性外脛骨など多岐に渡ります。
いずれもレントゲン、エコーで十分診断可能ですが、場合によってはMRIを施行することもあります。
治療方針はそれぞれによって違い、色々な治療を行なっても中々良くならない難治性の場合も多くあります。
まずは一度ご相談いただき、検査ののち治療方針を立てていきましょう。
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